『メアリ・シェリー 『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ』(シャーロット・ゴードン/小川公代訳)は、メアリ・シェリーの思想と生涯を通して、「共感」を軸に人間のつながりを再考する深い作品でした。単なる怪物譚としてではなく、孤独・創造・責任といった倫理的テーマを読み解き、他者とともに生きることの意味を問う姿勢に強く心を打たれました。特に、共感を「弱さの共有」として捉える視点が印象的で、分断の時代に必要な人間理解を示唆していると感じました。
『フランケンシュタイン』はメアリ・シェリーが十代で執筆した代表作だが、人口に膾炙している怪物の視覚的イメージが先行しているからか、この物語が誕生した伝記的な背景は、この有名すぎる作品ほどは知られていない。
メアリ・シェリーの作家人生は、彼女の両親である急進派思想家のウィリアム・ゴドウィンとフェミニズムの先駆者と呼ばれるメアリ・ウルストンクラフトの出会いから宿命づけられていたといえる。
本書で綴られるメアリ・シェリーの伝記的な情報は、『フランケンシュタイン』の思想のバックボーンと彼女が生み出したほかの小説や旅行記とどのようなつながりがあるかを理解するうえで、不可欠なものである。
メアリが実人生で体験する苦しみーー産褥熱による母の死、流産、夫パーシー・シェリーの死、生き残った一人息子をめぐる義父との協議などーーと『フランケンシュタイン』以降のメアリ・シェリーの思想と行動も瑞々しい筆致で描かれている。
女性作家として、あるいはシングルマザーとして直面した問題意識がいかに形成され、作品として結実したか、余すことなく論じた記念碑的名著! 北村紗衣さん推薦!
謝辞
第1章 遺産
第2章 ゴシックの叛逆
第3章 『フランケンシュタイン』
第4章 初期の女性の語り手──『フランス、スイス、ドイツ、オランダの一地域をめぐる六週間の旅行記』、『マチルダ』(一八一七〜一八二一年)
第5章 『ヴァルパーガ』、『最後のひとり』、『パーキン・ウォーベックの運命』、そして新たな『フランケンシュタイン』(一八二一〜一八三一年)
第6章 最後の仕事、一八三五〜一八四四年
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