『認知行動療法の哲学 ― ストア派と哲学的治療の系譜』は、ドナルド・ロバートソン著、東畑開人氏ほか複数の翻訳・解説者による書籍で、認知行動療法(CBT)の哲学的背景を体系的に探究した一冊である。本書では、古代ギリシア・ローマのストア派哲学が現代の心理療法に与えた影響を明らかにし、感情や行動の調整、思考の再構築などCBTの技法を哲学的視点から理解できるよう整理している。心理学と哲学をつなぐユニークな内容で、心理療法の理論的基盤や自己変容の考え方を深く学びたい人に有益な一冊である。
認知行動療法は、古代ストア哲学の末裔であるーー
霊と呪術から心を解放した近代科学の正嫡・認知行動療法には“知られざる系譜”が存在した……心の正面ドアをノックする「理性のコントロール」か? はたまた心の裏階段から忍び込む「非理性のカタルシス」か? アーロン・ベックとアルバート・エリスが愛したストア派の賢者たちーーマルクス・アウレリウス、エピクテトス、セネカーーに導かれ、心の治癒の一大精神史を体感する。
「この本は古代から連綿と続いてきた「理性による治療」の解説書であると同時に、ワークブックとしても使うことができる。千々に乱れる情念を理性でコントロールする。そのために、読者が理性の筋トレとストレッチを行えるようになっている。だから、同じように、読者であるあなたにも「理性に癒される」体験をしてもらえたならば、監訳者としてはそれで十分な気もする(それはおそらく原著者の願いでもある)」(東畑開人「理性に癒されるーー解題に代えて」より
序論ー哲学と心理療法
▼第1部ー哲学と認知行動療法
第1章ー認知行動療法の「哲学的起源」
第2章ー認知行動療法の起源
第3章ー哲学的治療小史
第4章ーストア哲学と心理学
▼第2部ーストア派はどのように治療をしていたか?
第5章ー理想的賢者を観想する
第6章ーストア派の〈いま・ここ〉へのマインドフルネス
第7章ー自己分析とソクラテス的論駁
第8章ー自己暗示・予期瞑想・回顧的瞑想
第9章ー災厄の予期(プラエメディタティオー・マロルム)と心的リハーサル
第10章ーストア派と第三世代の認知行動療法
結論ー運命は望む者を導く
付録ーストア派セラピーのツールキットーー日々の自己改善に向けた養生法
理性に癒されるーー解題に代えて/東畑開人
監訳者あとがき/藤井翔太
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