人間をまるごと診るホリスティック医学の第一人者である帯津良一氏による、はじめての「自叙伝」。
幼少のころから、東京大学医学部への進学を決めるまでの背景や、それにまつわる人々との関係性などを、おもしろおかしく語っている。
また、帯津氏が心動かされた、当時の邦画や洋画などを多数紹介。影響された俳優や、好きになった女優の話もあり、帯津氏の嗜好もよくわかる。
大学時代には、好きだった小説「三四郎」に出てくる土地を散策したり、また、甘酸っぱい恋のお話にも触れ、これまで出会ったたくさんの人々とのやさしく、忙しない時間を、明るく振り返るさまは、とても興味深く、現在の帯津良一氏の人間形成に不可欠なエピソードであると確信できる。
終戦の痛手も癒えはじめ、人々が何を求めて、どのように希望を見出したのかなど、日本国再建「輝ける昭和30年代」のきらきらした日々にタイムスリップしたかのような、なつかしく刺激的な時代に触れることができる。
本書の後半には、医者としてはじめて勤務した、当時日本一の集中治療室があった都立駒込病院(1976年)の話し、1982年に開院した「帯津三敬病院」名の秘話や、外国人医師との交流、そして帯津氏を語るのになくてはならない「気功」のあれこれなど、たくさんの登場人物を交え、お話が進んでいく。
お酒とお料理はもちろん、人々との交流や、なにしろ「ときめく」ことが大好きな帯津氏が送る本書は、読み進めると思わず笑みがこぼれると同時に、読み手の自然治癒力も高まっていく。
幼少時代からホリスティック医学の第一人者としてご活躍されるまでの「帯津良一」の、こまやかな履歴が本書によって伝承されていく。
一 懐かしき子ども時代
〜粋な小母のエピソードと幼馴染との再会の記憶〜
二 映画少年になってしまった中学生時代
〜医師を目指すと決めた訳と勉強の意欲をかき立ててくれた恩師との出会い〜
三 自由な校風と個性的な先生
〜怒涛の如く押し寄せる洋画に翻弄された都立小石川高校時代
四 東大学合格
〜酒の洗礼を受けた東京大学教養学部時代〜
五 酒に空手に麻雀に、青春を謳歌した東大医学生時代
〜愛読書だった『三四郎』の青春をたずねて〜
六 外科医、新ちゃんと称する新人時代を得て食道がんの研究に至る
〜東大第三外科医局時代〜
七 西洋医学の限界と中西医統合によるがん治療への決心
〜都立駒込病院での医療への向き方と開業への決意〜
八 開業、理想の病院を目指した帯津三敬病院
〜病院食の漢方粥と気功の呼吸法〜
九 日本ホメオパシー医学会発足
〜そして、大ホリスティックの道へと続く〜
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