平塚らいてうは、女性の自立と母になり「子という他者」を受け入れることとの葛藤を昇華させ、女性として国家の壁を越えて戦争をなくす「世界民」思想に到達した思想家である。日本の戦争に反対できなかったことを愧じ、戦後「非武装、非交戦」の平和運動を推進。軍事基地と軍隊の存在に反対した。その独自な「女性の平和思想」と実践を、新資料から再考。
はしがき
第1部 平塚らいてうとその時代
一 平塚らいてうの社会構想ー自然・協同・自治
二 「大逆事件」から『青鞜』へー「わたしはわたし」というデモクラシーの探求ー
第2部 平塚らいてうの平和思想とその到達点
一 新資料が語る「戦争の時代」とらいてうー一九四二年の「疎開」をめぐってー
二 平塚らいてうの戦後平和思想とその実践ー自筆メモ『世界連邦運動』を読み解くー
三 平和とジェンダーー「男性支配の暴力」から「女性参加の平和」へ
付論 大原社研へ寄贈する「らいてう資料」の概要
今、生かそう「らいてうのこころざし」-むすびにかえて
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