末盛千枝子と舟越家の人々をテーマにした展覧会は、絵本制作の裏側や家族の絆が感じられる貴重な機会でした。繊細で温かみのある作品から、創作の過程や家族間の支え合いが伝わり、芸術と人間ドラマが融合した展示に心が動かされました。絵本の魅力を改めて実感できる内容です。
記録を超えた展覧会の感動を
2023年4月15日から6月25日まで、市原湖畔美術館において「末盛千枝子と舟越家の人々─ 絵本が生まれるとき─」が開催されました。本書はその記録集となります。展覧会開催にあたっては、末盛のエッセイ集に展覧会で展示された作品や資料の写真を加えた『出会いの痕跡』(現代企画室刊)を関連書籍として発行しましたが、その後、展覧会図録の要望が強く、本記録集を刊行することとなりました。
決して運命から逃げず歩み続ける末盛の強くしなやかな生き方、そこから生み出される人生の悲しみや喜び、美しさを伝える絵本の数々は、多くの人たちに希望と勇気を与え続けてきました。
─ 絵本はハッピーエンドでなくても、将来に希望をつなぐものでなければならない ─
本展は、末盛がさまざまな人々との出会いと協働によって生み出した珠玉の絵本の原画や多彩な交流を物語る資料、東日本大震災の時に自ら立ち上げた「3.11 絵本プロジェクトいわて」の記録。
何を美しいと思うか ─ 舟越家の芸術 ─
そして彼女を育んだ芸術一家、舟越家の人々─父・保武、母・道子、妹・苗子、茉莉、カンナ、弟・桂、直木─の作品を一堂に展観、その波乱に富んだ人生と仕事の全容に光を当てるものとなりました。
[目次]
末盛千枝子エッセイ/はじめに/Part 1 まだ、絵本は子どもだけのものとお思いですか?/Part 2 パパにはともだちがたくさんいた/Part 3 人生で自分の好きなことを仕事にする以上に幸せなことがあるかい?/Part 4 何を美しいと思うか ─ 舟越家の芸術 ─/3.11絵本プロジェクトいわて/ゲストキュレーター末盛春彦からのメッセージ/寄稿 展覧会「末盛千枝子と舟越家の人々」が生まれたとき
前田礼(市原湖畔美術館館長代理)/末盛千枝子が手がけた本/末盛千枝子が影響を受けた本/年譜/作品リスト/写真:展覧会風景、展示詳細、書影、作品など
[展覧会]
末盛千枝子と舟越家の人々─ 絵本が生まれるとき─
会期:2023年4月15日[土]-6月25日[日]
会場:市原湖畔美術館
出展作家:安野光雅、井沢洋二、M.B. ゴフスタイン、津尾美智子、はらだたけひで、舟越保武、舟越桂、舟越直木、舟越道子、舟越苗子、舟越茉莉、舟越カンナ、末盛千枝子
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