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軽妙な語り口の中に、鋭くリアルな労働の現実が滲んでいて、何度もハッとさせられる作品でした。非正規という立場の曖昧さや、働くことの意味、自分の役割への違和感が、笑いと共にじわじわと胸に刺さってきます。理不尽さを笑い飛ばしながらも、どこか諦めきれない希望があるようで、読み終えたあとに不思議な温かさが残りました。ユーモアに包まれながらも、労働や人生の本質を真っ直ぐに見つめた、誠実で静かな力強さを持った物語でした。