ありがとう
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最初は通り魔事件のように見えるのに、工場の労災隠しや、かつての水泳部での事故などが浮かび上がるにつれ、「誰か一人の悪意」で片付けられない重さがじわじわとのしかかってきます。守ろうとした人と、切り捨てられた人の落差があまりにも痛かったです。
特に、被害者の息子である悠人が、父のことを何も知らなかったと気づいていく過程は、本筋の謎解き以上に刺さりました。親を一人の人間として見るしかなくなる瞬間の、どうしようもない居心地の悪さと、そこから生まれる静かな尊敬がよく描かれていると感じました。


















