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小野寺史宜さんの『みつばの郵便屋さん』を読み、心があたたかくなるような、優しい気持ちに包まれました。
主人公の蜂谷くんは、手紙に込められた様々な想いを丁寧に届けようとします。配達先での出会いを通して、人々の日常や、言葉にならない感情に触れていく彼の姿が印象的でした。
特に、配達先でほんの少し言葉を交わすことで、相手の抱える物語に気づき、そっと寄り添おうとする蜂谷くんの真摯な姿勢に心を打たれました。
手紙というアナログなツールを通して、人と人との繋がりが育まれていく様子が、デジタルな現代において、改めてその温かさを教えてくれるようでした。
この物語が持つ、ささやかだけれど大切な心の交流を描く魅力を、少しでも感じ取っていただければ幸いです。
読後、誰かに手紙を書いてみたくなるような、そんな温かい気持ちになれる一冊でした。