最初はタイトルの膵臓を食べたいって
とても恐ろしいなと思っていたけれど
読んでみると納得した
膵臓の病気で残っている時間がもう少ないと
わかった山内桜良は自分の会いたい人としたいことを
目一杯することに決めた
読んでいて彼女の強さとそして、
死の怖さを懸命に押し隠そうとする描写に胸がつまる
病気が一時良くなって外泊許可が出て
僕とのデートするときの嬉しさが伝わってくる
しかし、最後は無情だな
好きだとか嫌いだとか、何か伝えたいなら、そういう全てを、伝えるようにしてほしい。じゃないと、私みたいにいつの間にか死んじゃうかもしれないよ。
いずれ失うって分かってる私を「友達」や「恋人」にするのは怖かった。
17年、私は君に必要とされるのを待っていたのかもしれない。
私と君の関係は、そんなどこにでもある言葉で表すのはもったいない。
「君の膵臓を食べたい。」
住野よる『君の膵臓をたべたい』ーー本文より。
どれだけ涙を流せばいいのだろう。
すべてを読み終えて真っ白な状態になった。
純粋な恋愛、永遠の青春、簡単な言葉では説明できない尊い世界がある。
自分とはおかれている状況は全然違う女の子のお話、けれどすごく感情移入できる展開で読んでいて飽きないしとても感動する。
急に巻き込まれてしまう男の子と少し強引な女の子が時に笑いあい、喧嘩するところを見ていると一瞬忘れていた高校生なんだなという設定を思い出す。
高校生という若い命には大きすぎる錘が彼女を苦しめているのにずっと笑っている彼女が印象的だった。