人類の起源と文化の形成過程について非常に興味深く掘り下げられた一冊です。特に、パレオアジアという視点から見た新人類の文化の進化が新たな視野を提供してくれました。考古学と文化人類学のアプローチが融合しており、学問的な深さを感じつつも、一般読者にも理解しやすいように書かれています。人類がどのように文化を発展させ、社会を形成していったのかを考える上で、非常に刺激的な内容で、歴史や人類学に興味がある人には必読の一冊だと思います。
ホモ・サピエンスはどのようにアジアに定着したのか?
ネアンデルタール人やデニソワ人ら旧人たちが生きていた時代のアジアで、新人たちは、いかに適応し、旧人集団と交替したのか。太古の交替劇を過去と現在の文化の証拠をもとに考察する。
第1章 考古学と文化人類学の知見が豊かにするパレオアジア新人文化の理解【野林厚志・西秋良宏】
第1部 考古学的視点
第2章 人類の進化と狩猟技術の発達【佐野勝宏】
第3章 タケ仮説と人類史【山岡拓也】
第4章 島への移住と水産資源の開発
--ウォーレシアにおける現生人類の漁労技術と海洋適応【小野林太郎】
第5章 考古学にみる集団と社会
--西アジア・ネアンデルタール研究からの視点【西秋良宏】
第6章 集団接触による物質文化形成
--東アジア旧石器文化の例【加藤真二】
第7章 新人のアジア拡散における装身具の出現パターンと役割【門脇誠二】
第8章 狩猟採集民の学習行動と文化伝達
--旧石器時代の考古資料からの理解【高倉純】
第9章 洞窟壁画にみる狩猟民の世界観【竹花和晴】
第10章 狩猟採集民から農耕牧畜民の世界観へ【前田修】
第2部 文化人類学的視点
第11章 植物資源の道具利用の多面性
--インドネシア、西ティモールの事例から【中谷文美・上羽陽子・金谷美和】
第12章 技術の継承経路と社会
--ウズベキスタンの陶業を事例に【菊田悠】
第13章 狩猟行動に関する通文化比較
--熱帯湿潤地域を事例に【彭宇潔】
第14章 人類の移動拡散ベクトルについての批判的省察
--南方経路上の考古遺物への民族移動誌の投影より【高木仁】
第15章 異集団接触にともなうニッチ喪失
--和人社会によるアイヌ民族支配を事例として【大西秀之】
第16章 新人文化におけるビーズ装飾と社会
--狩猟採集民のビーズ利用から考える【池谷和信】
第17章 境界オブジェクトとしての獣人表象【山中由里子】
第18章 墓制からみる集団と社会
--中央アジア草原地帯の事例を中心として【藤本透子】
第3部 パレオアジア:新人文化の形成
第19章 アジア旧石器時代の石器技術と新人の拡散【西秋良宏】
第20章 民族誌データの定量分析と考古学への援用
--帰納的解釈と生業類型のプロジェクション【野林厚志】
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