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ニーチェ『道徳の系譜』(木場深定訳)は、西洋道徳の起源と価値を徹底的に問い直す哲学的挑戦の書です。ニーチェは、善悪の観念がいかにして生まれ、支配者と被支配者の力関係の中でどのように形成されてきたのかを鋭く分析します。特に「奴隷道徳」と「主人道徳」の対比は、道徳を絶対的なものではなく、歴史的・権力的な構築物として捉える視点を提示。木場訳は明快で、原著の情熱と論理の緊張感を丁寧に伝えており、倫理思想の根本を考えるうえで必読の一冊です。