印象派の美術展に向かう途中、バスに乗った主人公・久能整はバスジャックに遭遇します。
2巻はその続き、 episode2 後編「犯人が多すぎる」から描かれます。
1巻同様、整の知識により、人の心を軽くする描写が多々見受けられます。特に印象に残った整のセリフの一つは、犬堂の屋敷で整が淡路に言った、
「どうしていじめられている人が、逃げなければならないのか?」
というセリフです。
整いわく、欧米の一部では、いじめている側を病んでいると判断し、カウンセリングを行う。
しかし日本では、いじめられている側にカウンセリングを受けさせます。
そして、いじめられている側が学校に行けなくなるなど損をする。
確かにそうだな、と私は思いました。
もう一つ印象に残ったセリフは、同じく犬堂の屋敷で整が、小太りの男性に話した、
「徘徊したい人を自由に徘徊させてあげられないか?」
というセリフです。
整いわく、オランダでは認知症の人のための施設があり、そこは一つの村のようになっている。
そこは、認知症の人たちが自由に歩いて暮らせる。
危険な踏切や道路は一切ない。
入居者以外のその村の住人は、実は全員職員です。徘徊をしても、誰かが必ず連れ戻してくれる、ということです。
現実でも、認知症の方の中には、家や施設から脱出し、徘徊してしまう方がいます。
作中でも、小太りの男性が、認知症だからと言って、その人をしばりつけておくことはできない、と話しました。
日本にも、オランダの施設に似たものができたら良いなと思いました。
整の豊富な知識だけでなく、本編もかなり面白くなってくる第2巻。
是非、皆さんに読んで欲しい作品です!