京都寺町三条に店を構える骨董品店『蔵』の店主の孫・家頭清貴(通称ホームズ)と、ひょんなことから蔵でアルバイトを始めることになった真城葵。
二人の周りで起こる骨董品にまつわる様々な事件を解決していく、京都を舞台にしたライトミステリーです。
ホームズの名の通り、主人公の家頭清貴は、人の仕草や言動からいろいろなことを読みとることができる並外れた観察眼をもっています。
まるで本家シャーロック・ホームズのようだと読みながら感心しました。
また物語の中には、地名や行事など実際の京都のものが描かれており、京都を旅したことがある方なら、京都の風景を思い出しながら、読み進めることができます。
骨董品に関しても、実際の芸術家やその作品が登場しており、よく研究されているなと感じました。
ミステリーとは言いながらも、難しいものではなく、ホームズが淡々と解決をしていくので、スムーズに読み進めることができます。
ホームズと葵の二人の関係性が段々と近づいていくような恋愛要素もあり、なんといっても普段は敬語を使って話しているホームズが、葵に対して時々使う京都弁が、この後の二人の展開を想像させるようでとてもドキドキします。
京都に旅行に行きたいという方や若い方、難しい本は苦手という方におすすめします。