人に勧められ、お金の話は興味があるなと思って読んでみた本です。
独身で憧れの一人暮らしを始めた妹の御厨美帆、
一人娘がいて専業主婦をしている姉の御厨真帆、
習い事などを熱心に行っている母の御厨智子、
夫が亡くなった後は一人でのんびり生活している祖母の御厨琴子。
全6話の連作短編形式で、御厨家の女性陣やそこに関係する人が主人公となり、
自分の抱えるお金の悩みに向き合っていく物語です。
主人公となるそれぞれの人物は年齢も境遇も様々だからこそ、
解説にもあるように、幅広い世代の人の心に響く構成になっていると思います。
それだけに、「あるある!」と共感できるポイントも多いです。
第1話の主人公は妹の美帆。
彼女は節約とはほぼ無縁の生活を送っていたものの、
あるきっかけによってお金を貯めたいと考えるようになり、節約にも興味を持つようになります。
この辺りで、まさか節約のハウツー話が始まるのか…? と思ったのですが、そんなことはありませんでした。
あくまでもこれは家族小説です。
インデックスファンドやiDeCoなどかなり具体的な名詞も登場しますが、
まずは物語を楽しみ、その一環としてお金関係の話も興味深く読むという形がいいのではないかなと思います。
お金について考えたいと思った時の第一歩は、この物語を読むところから始めてみるのはいかがですか?