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ブクスタ！

論理と感情の間で揺れる人間ドラマが、科学的な推理と絶妙に絡み合う短編集でした。ガリレオこと湯川の冷静な分析と、事件に関わる人々の熱い思いや悲しみが対比され、深い余韻を残します。ミステリーでありながら、人間の本質に静かに迫る作品でした。

理系トリックを楽しむというより、湯川が人間の感情にどこまで踏み込むのかを試されている短編集だと感じました。さらっと読めるのに、一作ごとに胸の奥がじわっと重くなります。

内海薫が本格的に登場してくることで、湯川とのコンビに新しい温度が生まれているのも印象的でした。草薙とは違う角度から事件に食い下がる姿に、少し若さの危うさも混じっていて、そのバランスが心地よかったです。