【人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある】
普段は天才数学者の石神が、非論理的で答えのない“愛”のために理性を狂わされるという設定がまた面白い。石神は、ただ純粋に花岡親子を守りたかっただけなのだろう。不器用な彼が、あの家族に対してしてあげられるたった一つの愛情表現が、あの完全犯罪だったのかと思うとやるせない気持ちでいっぱいになる。
テレビでもお馴染みのガリレオシリーズ。映画にもなり、さらに直木賞も受賞した作品です。主人公の天才物理学者湯川学(通称ガリレオ)が唯一天才と呼び、そして唯一の親友である石神と対決する苦悩が描かれています。一番の見所は「人はここまで人を愛することができるのか」というところです。私自身これまで本を読んで初めて涙しました。
人を愛するとは何か、またその覚悟を感じることができます。
ガリレオシリーズが好きな方にはもちろん、本を読んで涙したいという方にオススメです。
天才数学者と彼が隠そうとする殺人事件の真相を描く。犯人の心理と動機に焦点を当て、緻密な推理と感動的な人間ドラマが融合。東野圭吾の代表作であり、多くの賞を受賞した名作ミステリー。東野圭吾らしい伏線回収です