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物語に強く引き込まれました。私自身、主人公たちと同じ世代だからこそ、あの時代の空気感や、少女たちの抱える感情が分かりすぎるほど理解できました。つい最近のことのように感じるのに、もう「懐かしい」と表現されるような昔のことなのかと、時の流れに驚かされます。
居場所のない少女たちが犯罪に手を染めていく過程が、生々しく描かれていました。本当に欲しかったのはお金ではなく、一緒に生きていく人、そしてただ居場所を守りたかった、という切実な思いが伝わってきます。
しかし、一人でがむしゃらに頑張る花と、考えが甘く流されるだけの三人の間に、徐々に溝が生まれていきます。次第に花が、大好きなはずの友達を馬鹿にし始める様子は、読んでいて怖かったです。
みんなと一緒にいたくて必死に金を稼いだのに、その金を巡って関係が壊れていく。その苦しさと切なさが胸に迫る作品でした。
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家庭的に恵まれなかった者同士が肩を寄せ合って共同生活を送る。その共同生活の場がタイトルの「黄色い家」。
生活を維持するにはつまるところお金。仲間との生活を必死に守ろうとする主人公と、人任せで責任感の薄い仲間との温度差からギクシャクしてくるのも悲しい。