ウィリアム・J・クナウス著『怒りを適切にコントロールする認知行動療法ワークブック 少しずつ解決に近づくエクササイズ集』は、認知行動療法(CBT)の手法を用いて怒りを理解・整理し、コントロールするための実践的ワークブックです。著者は、怒りの原因や思考パターンを分析しながら、段階的に自己調整するための具体的なエクササイズを多数紹介しています。読者は、自分の怒りを客観的に把握し、少しずつ日常生活で健全に表現・対処する力を養うことができる、実践的で取り組みやすい内容です。
怒りという誰にでもあるごく自然な感情は、出来事自体ではなく、その出来事への見方に原因がある時に問題となる。本書では、怒りを、前向きで建設的な「自然な怒り」と、毒性や問題のある「寄生性の怒り」の2つに分け、怒りが起こりやすい思考について取り組みやすくし、寄生性のある怒りを予防・軽減するための認知行動療法(CBT)に基づいたテクニックを紹介していく。各理論やエクササイズがすべて誰にでも万能というわけではないが、あなたにとって役立つものに取り組み、記録を付けていけば、この本は構造化された日記として進歩を辿る場となっていき、あなたの暮らしの中で起きている問題について知るための最良の手段となる。この強力なツールに取り組むことで、怒りの問題から少しずつ解放され、これからの人生をはるかに建設的に過ごせるようになろう。●略歴[監訳者]堀越 勝(ほりこし・まさる)国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター特命部長(前センター長)。公認心理師,臨床心理士。米国のバイオラ大学で臨床心理学博士を取得,マサチューセッツ州のクリニカル・サイコロジストのライセンスを取得。ハーバード大学医学部精神科においてポストドクターおよび上席研究員。ケンブリッジ病院の行動医学プログラム,マサチューセッツ総合病院・マクレーン病院の強迫性障害研究所,サイバーメディシン研究所などで臨床と研究を行う。2001年に帰国し,筑波大学大学院,駿河台大学の勤務を経て,2010年より現研究所勤務。著訳書に,『ケアする人の対話スキルABCD』(日本看護協会出版会),『精神療法の基本―支持から認知行動療法まで』,『精神療法の実践―治療がうまくいかない要因と対処法』(医学書院,共著),『30分でできる怒りのセルフコントロール』,『30分でできる不安のセルフコントロール』(金剛出版,共訳)などがある。[訳者]・浅田 仁子(あさだ・きみこ)お茶の水女子大学文教育学部文学部英文科卒。社団法人日本海運集会所勤務,BABEL UNIVERSITY講師を経て,英日・仏日の翻訳家に。訳書に,『ミルトン・エリクソンの催眠テクニック?・?』,『人はいかにして蘇るようになったのか』(以上,春秋社),『パクス・ガイアへの道』(日本教文社),『山刀に切り裂かれて』(アスコム),『強迫性障害の認知行動療法』(共監訳),『セルフ・コンパッション[新訳版]』(共訳),『サイコロジカル・ファーストエイド―ジョンズホプキンス・ガイド』(共監訳,以上,金剛出版)などがある。
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