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明香里は明るく前向きで、暗闇の中でも「音」「匂い」「声」によって“世界”を感じようとする姿がとても強く心に残ります。一方で、塁は過去の罪と後悔を引きずりながらも、明香里と少しずつ触れ合うことで、自分を取り戻していく過程が切実で、読んでいて胸が苦しくなります。 
しかし、物語が進むにつれて、明香里の過去(彼女が事故で視力と両親を失ったこと)と、塁が抱える“罪”が明らかになり、二人の関係は深まれば深まるほどその運命の残酷さが突き刺さります。塁はその過去に気づき、「彼女を救いたい」「罪を償いたい」と、あえて危険な道を選ぶ。その苦悩と覚悟が心を締め付けます。




















