また、学校という“安全”と思われがちな共同体の崩壊、人々の不安や焦り、匿名掲示板がもたらす混沌現代社会の怖さや弱さを痛烈に浮き彫りにしており、読後、安易に人を信じることの危うさや、組織の脆さについて考えさせられました。 
総じて、『高校入試』は、入試という“誰もが経験するかもしれない日常”を舞台に、人間心理と社会構造の闇を鋭く描いた非常に読み応えのある作品だと思います。
名門・橘第一高校で、「入試をぶっつぶす!」という貼り紙、掲示板での試験実況、鳴り響く携帯……とトラブルが連鎖していく中、
教師・受験生・保護者それぞれの保身や不安がむき出しになっていく様子が本当に生々しいです。 
視点が細かく切り替わる構成のおかげで、「誰が嘘をついているのか」「本当の悪意はどこにあるのか」を最後まで疑い続けることになり、
読み終えたあと、入試という仕組みそのものと、人が集団になるときの怖さを静かに考えさせられる一冊でした。











