中村元哉『中国、香港、台湾におけるリベラリズムの系譜』は、東アジアにおけるリベラリズム思想の展開を歴史的・地域的視点から分析した学術書です。西洋由来の自由主義理念が、中国本土、香港、台湾でどのように受容・変容し、政治制度や市民社会に影響を与えてきたかを丁寧に解説。異なる政治体制や社会背景の中でリベラリズムがどのように適応・抵抗してきたかを比較することで、現代アジアの自由・権利・民主主義の理解に深みを与える一冊です。
現代中国を読み解く際、「民主か独裁か」という切り口のみで語られることが多い。しかし、実際の状況はもっと複雑であり、現代中国において「自由と権力」をめぐる議論は20世紀前半以来の長い歴史を持っていることを忘れてはならない。そして、何よりも中国・香港・台湾のトライアングル関係を無視しては、その思想状況を理解することは困難である。本書は、様々な現実の奥底に潜んでいる近現代中国の自由を求めるリベラリズム思想と運動の歴史を、多くの思想家とこれら地域のトライアングル関係の歴史を通して読み解き、中国への新しい見方を提示する。
はじめにーー中国、香港、台湾のリベラリズムとは?
第1部 中国、香港、台湾のリベラリスト
第1章 批判の自由を求めてーー儲安平
第2章 自由と統制の均衡を求めてーー銭端升
第3章 憲政の制度化を求めてーー張君勱
第4章 憲法による人権の保障を求めてーー張知本
第2部 中国、香港、台湾における連鎖
第5章 文化論としてのリベラリズムーー殷海光
第6章 日中戦争下の容共リベラリズムーー広西、雲南から香港へ
第7章 米ソ冷戦下の反共リベラリズムーー香港と台湾
第8章 反右派闘争から文化大革命までのリベラリズム
おわりにーー蘇る中国、香港、台湾のリベラリズム
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