「静かな絵」に宿るダイナミズム―異色の水墨画家・松本奉山の世界
愛媛県今治市に生まれ、水墨画で独自の世界を描いた女性画家・松本奉山(1925~2010)の生誕100年を記念して開催される大阪大学総合学術博物館の特別展「生誕100周年記念 松本奉山―水墨画で世界を描く―」(2025.04.26~2025.06.28)図録。
松本奉山は神戸に転居した後16歳で水墨画家・松本尚山に弟子入りし画業への道を歩み始めた。個展や外部での弟子の指導など、画家として精力的に活動していた1963年、37歳で初めてアメリカを訪れた奉山はそこで新たな画境を切り開くことになる。自然と融合する都会的な風景、高層ビルの間で自由に生きる人々の姿―アメリカで目にした景色は奉山に大いに刺激を与え、才能を一気に開花させた。その画風は黒々とした細密描写から、晩年につれ、淡く簡略な表現へと変化していく。奉山自身も「静かな絵」と呼んだ作品には、研ぎ澄まされた精神力と確かな力強さが宿る。初渡米後もオーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ各国、ブラジル、トルコなどを訪れその土地の風景を描くとともに、現地の人々にデモンストレーションを行い新しい水墨画の普及に努めた。一方で、日本の琵琶湖・鎌倉・皇居・四万十川、そして故郷の瀬戸内海の穏やかな風景にも心を惹かれ、新聞などで連作を発表した。世界をまたにかけて活躍した奉山だが、師の意向もあり大きな美術団体に属することなく、団体展への出品も行わなかったため、その作品は一部に知られるに留まっている。
豊富な図版とともに、博物館内外の専門家による論考やコラムを多数収録。多様な視点で奉山をとらえることで美術史における立ち位置を再検証する。
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