佐藤愛子さんと小島慶子さんの往復書簡を読みました。特に印象的だったのは、小島さんの夫に対する強い執着心です。なんだかんだ言っても、心の中では大好きでたまらないのだろうと感じました。
自分が求めているほどの愛情を夫が示してくれないことへの、まるで拗ねているかのような感情が伝わってきます。本当に許せないならとっくに別れているだろうし、育児ユニットとしてはうまく機能しているからこそ、「エア離婚」という形を選んでいるそうだが、それほど別れたくないのだという、小島さんの本音ではないかと思いました。
それに対する佐藤さんの返事が、とにかく豪快で痛快でした。夫婦喧嘩には牛乳瓶がいい、というアドバイスには思わず笑ってしまいました。丈夫で滅多に壊れないし、もし壊れても損をするのは牛乳屋さん、という発想がユーモラスで、佐藤さんの豪快な人柄が伝わってきます。
この本を読んで、佐藤さんの著書「晩鐘」を読んでみたいと思いました。お二人のやり取りを通して、夫婦の形、人生のあり方について考えさせられる一冊でした。