特に印象的だったのは、どの話も一見平凡な日常から始まるにもかかわらず、人の心の奥底にある弱さや欲望がじわじわと露わになり、読後には「人とは何か」「本当の絆とは何か」を静かに問いかけられるという重みです。 
悲しみの中に人間らしい温かさや救いを感じさせる章もあり、読み終えた後に胸に残る余韻は、まさに宝石箱のような物語の輝きでした。 
どの物語も、日常の中のささいな出来事からじわじわと心の闇が顔を出し、
最後に一つピースがはまることで、人物の本音や関係のねじれ方がくっきり立ち上がってきます。 
表題作「サファイア」と続く「ガーネット」は、とくに“喪失と再生”の物語として胸に残り、
読み終えたあと、「自分が誰に、どんな恩を返したいと思って生きてきたか」を静かに振り返りたくなる一冊でした。













