ありがとう
0
【ここにいたい。ここで暮らしたい。しかしたぶん、それはもうかなわないと、直感が告げる】
涙なしでは読めない傑作小説。様々な視点から「母とは?母性とは?」を問いかけてきて、ここまで心揺さぶられた作品は初めてだった。明らかにすべて希和子が悪いはずなのに、やっていることは犯罪であると頭ではわかっているのに、なぜだか希和子に「逃げて!」と声をかけたくなってしまう自分がいた。自分の理性や倫理観を揺るがされるほど、秀逸な心理描写がこの小説にはたくさん詰まっている。