アラフィフの女性たちが突然、人生の「穴」に落とされるところから物語は始まります。離婚を突きつけられたり、理不尽にクビになったり。しかし、彼女たちはそこから必死に這い上がっていきます。
もちろん、その過程は簡単ではなく、並々ならぬ努力を重ねた結果です。子どもがもう手がかからない年齢であることが、彼女たちの再スタートを後押ししたことは大きいでしょう。
主人公たちを地獄の底に落とすきっかけを作るのが、なぜか皆「男」であるという構造も印象的です。最後に見事な逆転を果たす展開は痛快でいい気味ですが、現実はそうはいかないだろうなという冷めた思いも抱きました。
いくつになっても可能性はあるし、努力すれば道は開ける。しかし、第二章の美有紀が言うように、頑張ってもどうにもならないこともある。そして、彼女たちの成功の根底には「健康」があるのだと気づかされます。結局は、心と体の健康が、人生を切り開く鍵なのだと考えさせられました。