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やさしいハードボイルドが読みたければこの作品だ!甘いという意味でやさしいという言葉を使った訳ではない。シングルファーザーでイクメン刑事・大友鉄のキャラクターがそう思わせてくれるのかもしれない。ストーリーの流れとしては、真相追求のため一人でも動き、大きな敵だとしても手を緩めず、最後まで事件を解決する。同期の仲間や一人息子とのやりとりも心地良い。見事なハードボイルド小説、警察小説、推理小説に仕上がっている。警察小説でありながら、探偵小説のようなテイストがあり、全体的にやさしい雰囲気が流れている。これは、主人公の大友鉄が一人息子のいるイクメン刑事の設定だからかもしれない。家庭のことは全部自分でやっていくつもりでいるが、なかなか難しく義母や周りの人たちの助けをもらいながら何とかやっている。そういう周りの人たちが世話をしてくれるような人柄設定も良い。そして、最後には事件をしっかり解決して締めてくれる。堂場瞬一で一番好きな作品だ!