震災の悲劇、心の痛み、人間の弱さが痛烈に描かれつつも、南の島の静かな風景や温かな人々との触れ合いが、“希望”や“赦し”として救いを添えてくれる構成に、とても胸を打たれました。 
特に、悲しみから立ち直ろうとする彼女たちの葛藤と、少しずつ回復していく心の描写“絶唱”というタイトルが象徴する「命の叫びと再生の証」が、読み終えた後も深く心に残ります。
奪われた妹の人生を背負わされてきた雪絵、
「約束」を果たせなかった自分を責め続ける人、
大切な人を救えなかった後悔に縛られた人など、
誰もが「ごめんなさい」を抱えたまま島に辿り着く姿がとても痛々しいです。 
それでも、トンガのゆるやかな時間や、人々の「死は悲しむだけのものじゃない」というまなざしに触れるうち、
悲しみを無理に乗り越えるのではなく、抱えたまま生きていく道があるのだと示してくれる。
読後には静かな涙と、かすかな光が同時に残る一冊でした。











