物語には構造があり、映画にも構造がある。そして映画の構造を知ることが、人間の欲望の構造を知ることにつながる……。『エイリアン』『大脱走』『裏窓』などハリウッド映画の名作を題材にした映画論にして、ラカンやフーコーなど現代思想の入門テキストとして高い評価を受けた旧版『映画の構造分析』に、『君たちはどう生きるか』『ドライブ・マイ・カー』『怪物』『福田村事件』など、近年の話題作を分析した論考を大幅増補した決定版映画論。解説・春日武彦。
「あらゆる芸術作品は、それについて語られた言葉をも含めてはじめて「作品」として成立していると僕は思っています。僕たちは作品について語ることを通じて、作品にある種の「付加価値」を付与している。(…)だからこそ、美術批評とか文芸批評という分野が存在しているわけです。さまざまな芸術活動の中でも、とりわけ映画は批評の占める割合が多いと僕は思います。(…)集団の創造という点で映画に匹敵するジャンルはありません。」(「あとがき」より)
【登場する作品】──『エイリアン』『大脱走』『北北西に進路を取れ』『ゴーストバスターズ』『裏窓』『秋刀魚の味』『私を野球につれてって』『ゴッドファーザー』『君たちはどう生きるか』『ドライブ・マイ・カー』『ハウルの動く城』『怪物』『福田村事件』『愛の不時着』『秋日和』『三島由紀夫VS東大全共闘』…
新版へのまえがき
まえがき
■第1章 映画の構造分析
0 物語と構造
1 テクストとしての映画
2 欠性的徴候
3 抑圧と分析的知性
4 「トラウマ」の物語
■第2章 「四人目の会席者」と「第四の壁」
■第3章 アメリカン・ミソジニー──女性嫌悪の映画史
■第4章 そして映画は続く
『ゴッドファーザー』と『北の国から』
『君たちはどう生きるか』をどう観るか
「父」からの離脱の方位──『1Q84』論
『ハナレイ・ベイ』のためのコメント
『ドライブ・マイ・カー』の独創性
『ノルウェイの森』の時代感覚
『ハウルの動く城』を観に行く
『怪物』について
『福田村事件』へのコメント
『愛の不時着』──男性目線と女性目線の交錯
『冬のソナタ』──予定調和的な宿命
『秋日和』──非婚は彼女たちの意思ではない
『精神0』──それに人間は抗うことができない
『演劇1』『演劇2』──演劇の平田オリザ、映画の想田和弘
『三島由紀夫VS東大全共闘』──政治の季節の予感
『プレシャス』──史上初の男性嫌悪映画
『バービー』──哲学的な映画
デヴィッド・リンチ追悼
オリジナル版のあとがき
新版のためのあとがき
解説 「お話を一つ思いつく」を巡って 春日武彦
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