犯人は名乗り出ているのに、なぜあなたの家族だったのかは誰も説明してくれない。その理不尽さに耐えきれず、遺族たちが検証会という形で真実を求めていく流れは、ミステリーというより感情の修羅場を覗き込んでいるようでした。
加賀も、今回は名探偵というより、怒りや憎しみに飲み込まれそうな人たちの間に静かに立つ調整役のように見えました。論理で真相を詰めていくのに、どこか祈るような眼差しも感じられて、そこがとても印象的でした。
物語が進むにつれて、各登場人物の思惑や裏の顔が浮かび上がり、「本当に信じられる人とは誰か」「正義とは何か」という根源的な問いが胸に迫ります。複雑に絡み合った人間関係と、緻密に張られた伏線が一気に回収されるラストは圧巻で、読後には強烈な余韻が残りました。 











