物語を読み進めるにつれ、虐げられる子どもたちの苦しみや孤独、そして「逃げ場のなさ」に胸が締め付けられました。一方で、彼女たちが声をあげ、助けを求めようとする姿や、わずかでも“希望”を信じようとする強さに、読後に深い余韻とともに「未来に対する祈り」のようなものを感じました。 
全体として、『未来』は単なるミステリーではなく、現代社会の闇、児童虐待や家庭の崩壊に鋭く切り込む社会派小説でありながら、絶望のなかにも「人と人との繋がり」や「救い」を希求する姿勢が胸に刺さる、非常に重く、しかし忘れがたい一冊だと感じました。
未来の自分を信じて必死に生きようとする章子と、どこか冷めた視線で世界を見ている亜里沙。
二人の少女と、その周りの大人たちの視点が少しずつ重なっていくにつれて、「加害者」と「被害者」を単純に分けられなくなっていく構成が本当に苦いです。 
それでもラスト近く、彼女たちが“助けてくれる大人”を探しに行列に並ぶ場面には、かすかな光も感じました。
救いと同じくらい後味の悪さも残るのに、「それでも未来を信じてみたい」と思わせる、湊かなえさんらしい一冊だと思いました。














