静かに胸を打つような強さをもった作品でした。過酷な時代の中で、自分の言葉や文化、命の意味を守ろうとする人々の姿に深く心を動かされました。アイヌや樺太に生きる人々の視点が丁寧に描かれていて、自分が当たり前だと思っていた価値観が問い直される感覚がありました。どんな状況でも人間としての尊厳を失わない姿に、気づけば登場人物たちに肩を並べて歩いているような気持ちになりました。静かだけれど、確かな力を感じる物語でした。
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発売日: 2022年07月06日
発行元: 文藝春秋
樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。
一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。
文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。
樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、
国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。
金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、
読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。
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