映画『砂の器』がなぜ多くの人々に愛され続けているのか、その理由がよくわかりました。特に、監督野村芳太郎の映像表現に注目して、その深い心理描写や不安感の演出が映画に与える影響が強調されている部分が印象的でした。清張作品の映画化が単なる映像化ではなく、原作のエッセンスをどう映像で表現するかという深い考察がなされており、非常に興味深かったです。
1974年に公開されて大ヒットとなった松本清張原作の映画『砂の器』。公開から半世紀を迎えてなお「国民的」人気を誇るこの作品は、通りいっぺんの「名作」ではなく、むしろ製作・脚本の橋本忍、監督の野村芳太郎を中心とする名匠たちが極めてベンチャーな野心と創意をもって、まさに「映画の魔性」にとりつかれて実現した「挑戦作」にして「異色作」なのである。本書では、数々の現場資料を踏まえながら、清張原作から大胆な改変をもって誕生したこの作品の創造プロセス、そして後世に与えた意外な影響までを含めて網羅する『砂の器』研究書籍の唯一にして無二の「決定版」である。本書は映画公開50年に加えて、野村芳太郎監督生誕105年に捧げられる。
序章 『砂の器』という映画の魔性
第一章 『砂の器』の脚本と演出
・原作から脚本へ -- 橋本忍の「奇抜」
・野村芳太郎監督の横顔 -- 野村芳樹インタビュー
・脚本から映像へ -- 野村芳太郎の「緻密」
第二章 『砂の器』の音楽
・ピアノ協奏曲「宿命」の創造 -- 和田薫インタビュー
・「宿命」はいかに撮影されたかーー佐々木真インタビュー
第三章 『砂の器』の演技
・「泣かせ」を極めた子役の陰陽 --春田和秀インタビュー
・大作映画ヒロインとしての華ーー島田陽子インタビュー
第四章 『砂の器』の宣伝・興行
・宣伝から公開へ -- 興行戦略の再検証
第五章 『砂の器』の影響
・中国の観客・作り手への影響 -- 劉文兵インタビュー
・新世代への影響 --中川龍太郎インタビュー
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