田中ひかるさんの『明治のナイチンゲール 大関和物語』は、明治時代の日本で活躍した看護師・大関和の生涯を描いた伝記です。ナイチンゲールの理念を日本で実践し、医療や看護の発展に尽力した彼女の努力と情熱が丁寧に描かれています。時代背景や社会的制約も織り交ぜられ、困難に立ち向かう姿が感動的です。看護史や日本の近代史に関心のある読者にとって、学びと感動を同時に得られる一冊です。
NHK朝ドラ「風、薫る」原案!
明治時代、「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた看護婦。家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて看護婦の制度化と技能の向上に努めた大関和。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。和とともに看護婦となり、彼女を支え続けた鈴木雅もまた、二人の子を持つ「寡婦」であった。これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いた二人のシングルマザーの物語である。
【目次より】
●第一章 故郷黒羽
家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁
●第二章 鹿鳴館
パン・ペルデュ/牧師植村正久/鉄道馬車に乗って/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟/鄭永慶の最期
●第三章 桜井看護学校
「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子 /断髪の新入生 /広瀬梅の苦学/『Notes on nursing』/火屋磨き/「不義の子」/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生
●第四章 医科大学附属第一医院
「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」
●第五章 越後高田「知命堂病院」
高田女学校/廃娼演説会/木下尚江との出会い/瀬尾原始との再会/心の夢/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/村人たちの抵抗/「避病院」の改良/国恩と信仰/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅/梅と「ルツ子」/車上の花見/慈愛館の昼餉
●第六章 東京看護婦会
派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/監獄署へ通う/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/心の死/箱根への隠遁/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/六郎の結婚/慰問袋運動
●第七章 大関看護婦会
復彦との再会/炊き出しでの出会い/「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/六郎の客死/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災
●おわりに
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