事故で陸上を諦めた圭祐が、ドローン片手にかつての仲間たちを撮り始めたことで、
煙草を吸うエース・良太の姿が映り込み、そこから部活と学校を巻き込んだ騒動に発展していく展開は、
爽やかな部活もののワクワクと、湊かなえさんらしい疑心暗鬼が同時に走っていてページをめくる手が止まりません。 
「伝える側」の思惑やエゴが、いつのまにか“事実”を塗り替えてしまう怖さと、
それでも誰かに届いてほしいとカメラを回し続けるまっすぐさが交差していて、
読み終えたあと、自分が無意識に信じているニュースや映像についても少し立ち止まって考えたくなる一冊でした。
同世代の若者たちの友情、挫折、葛藤、そして再生への思いがリアルに描かれており、“青春もの”の瑞々しさと、“ミステリー”の緊張感がほどよく交錯した点に強く心が揺さぶられました。読後は、「ただ真実を伝える」ことの難しさと大切さを、改めて考えさせられました。














