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老子道徳経について、他の訳書にはない、安冨先生ならではの熟考され、深掘りされた解釈で訳されていて面白い。
個人的には、この老子道徳教より生まれた、大器晩成という有名な四字熟語についての解釈で、大器晩成とは、晩年になって大きな器の人と成り成功するという世間一般で知られている意味ではなく、晩成の晩の字がかつては免の意味で使われていた可能性があり、その意味だと器になる事を免れたという、ある種の解脱的な意味での成功を意味する意味合いがあるのではないかという安冨先生ならではの型にはまらない柔軟で鋭い批評が大変素晴らしいなと思った。
また、解説自体もわかりやすく書かれており、老子道徳経を読んだことがない人にとっても読みやすい本となっていると思う。
形や色が濃くはっきりとしたものが好まれる現代で柔軟さや淡さを得意としているために生きづらさを感じている人は是非読んでみてください。