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僕と明里はあの頃、いろいろなことを知っていた。空が青く見える理由も、地球に季節がある理由も、ネアンデルタールが姿を消した時期も、カンブリア紀の失われた種の名前も知っていた。その2人が、やがて遠く離れていき、再会する。新海監督は、遠距離の恋愛をこのんで描く。
「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」いつも大切なことを教えてくれた明里、そんな彼女を守ろうとした貴樹。小学校で出会った2人は中学で離ればなれになり、それぞれの恋心と魂は彷徨を続けていくー。劇場アニメーション『秒速5センチメートル』では語られなかった彼らの心象風景を、新海誠監督みずからが繊細な筆致で小説化。1人の少年を軸に描かれる、3つの連作短編を収録する。
僕と明里はあの頃、いろいろなことを知っていた。空が青く見える理由も、地球に季節がある理由も、ネアンデルタールが姿を消した時期も、カンブリア紀の失われた種の名前も知っていた。その2人が、やがて遠く離れていき、再会する。新海監督は、遠距離の恋愛をこのんで描く。