本書は、ラーメン業界の最前線で活躍する名店たちの技術と情熱が凝縮された一冊です。
スープ、麺、タレ、香味油、チャーシュー、味玉、メンマといった各パーツに焦点を当て、それぞれの専門家が独自の理論と実践を紹介しています。
特に印象的だったのは、スープの項における「出汁の取り方」の多様性でした。
豚骨、鶏ガラ、魚介、野菜など、様々な食材を組み合わせ、それぞれの旨味を最大限に引き出すための工夫が随所に散りばめられています。
また、麺の項では、自家製麺の重要性が強調されていました。
小麦粉の種類、加水率、熟成時間など、細部にまでこだわることで、スープとの一体感を生み出すことができるそうです。
さらに、タレの項では、醤油、味噌、塩といった基本的な味付けに加え、各店独自の調合が紹介されています。
素材の持ち味を生かしつつ、深みやコクを加えるための技術は、まさに職人技と言えるでしょう。
本書を読み終えて、一杯のラーメンには、想像を絶するほどの技術と情熱が込められていることを改めて実感しました。
ラーメン店主たちの飽くなき探求心と、常に最高の味を追求する姿勢は、読み物としてとても面白かったです。
ラーメン好きとっても必読の一冊と言えるでしょう。