★ネタバレなし★
一言で言うと、私の人生を変えた作品です。とは言っても、まだ十数年しか生きていない若輩者なので浅はかな解釈かもしれませんが、そこのところご了承下さいませ。さて、本題に移る前に、皆様に一つお伺いしたいことがございます。皆様は、今まで生きてきた中で「生きる」という行為に疑問を持ったことはございますか?例えば、日常のふとした瞬間に、「あ、私、なんでここに生まれてきたんだろう」とか、「このままずっと生きていけるのかな」とか。どんな些細なことでも構いません。もしあなたが、この世界に生きていることに、人間という動物に疑問を持ったことがあるのだとすれば、一度本作を手に取る価値は十二分にあります。本作を執筆された安部公房先生は、個人的に「人間の本質を誰よりも客観的に見抜くことのできる人」だと思います。彼は、恐ろしいほど人の奥深いところをよく観察しており、そしてそれを原稿に正確に書き起こすことができる方なのです。感じ方は人それぞれですし、本作があなたの価値観と合わないものである可能性は否定しきれませんが、間違いなくなんらかの形であなたの心に刺さるはずです。
私はこの作品が持つ異様なまでの吸引力を素敵だと思いました。きっと、それは私が人間であり、今や将来に不安を抱いていたからだと思います。この物語はどんな年代の方でも楽しめますが、私個人としては、中高生の皆様に読んでいただきたいです。途端に生きる意味が分からなくなったり、毎日同じことの繰り返しで退屈している、そんな方々のための物語だと思います。ここまで読んで、少しでも本作に興味を持っていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。書店でこの本と目があった際は、ぜひ手に取ってみてくださいね。
















