『歴史のかげに美食あり 日本饗宴外交史』は、日本の外交史を食文化の視点から描いた一冊です。黒岩比佐子氏は、公式晩餐会や饗宴を通じた外交の裏側を詳細に紹介し、政治と食の意外な関わりを明らかにしています。特に「料理や饗宴が国家間の信頼や駆け引きに影響を与える」という視点が印象的で、歴史や外交を別の角度から楽しみながら学べる内容でした。文化史としても興味深い一冊です。
古来、「歴史のかげに女あり」と言われる。妖艶な美女が歴史を動かしてきた例は少なくない。だが、大事件、外交の舞台裏でより重要だったのは、いかに饗宴を準備するか。相手を懐柔するために、明治の主役たちが「おもてなし」のため頭を悩ませた美食とは。史料から明治の世界を生き生きと描き、52歳の若さで惜しまれつつ逝ったノンフィクション・ライター黒岩比佐子が、12品のフルコースで、歴史ファンをご接待!
古来、「歴史のかげに女あり」と言われる。妖艶な美女が歴史を動かしてきた例は少なくない。だが、考えてみれば大事件、外交の舞台裏でより重要だったのは、美女よりも美食ではなかったか。近代日本の運命を左右したステージに饗宴はつきもの。相手を懐柔するためには、美味が必要だった。明治の主役たちは、いかに「おもてなし」に頭を悩ませたか。
黒船来航のペリーは、なれぬ日本料理に閉口した。フランス料理になじめなかった明治天皇の涙ぐましい努力。暗殺された伊藤博文が日本で最後に食べた河豚の味。日露戦争の勝利に外国武官たちからシャンパンシャワーで祝ってもらった児玉源太郎。フランスからミネラルウォーターを取り寄せていた西園寺公望などなど。
史料から明治の世界を生き生きと描き、52歳の若さで惜しまれつつ逝ったノンフィクション・ライター黒岩比佐子が、12品のフルコースで、歴史ファンをご接待!
(原本 文春新書『歴史のかげにグルメあり』2008年刊)
第1章 マシュー・ペリーー本膳料理に不満を抱いた米国海軍提督
第2章 アーネスト・サトウー最後の将軍によるフランス料理の饗宴
第3章 明治天皇(1)-天皇が初めてホストを務めた日
第4章 井上馨ーダンスと美食による鹿鳴館外交
第5章 大倉喜八郎ー怪物的な政商と帝国ホテルの料理
第6章 ニコライ皇太子ー大津事件とロシア軍艦での午餐会
第7章 伊藤博文ー河豚の本場で開かれた日清講和会議
第8章 児玉源太郎ー旅順陥落のシャンパンシャワー
第9章 村井弦斎ー食道楽作家とロシア兵捕虜の交流
第10章 明治天皇(2)-ガーター勲章と宮中晩餐会
第11章 西園寺公望ー稀代の食通だった風流宰相
第12章 幸徳秋水ーアナーキストの「菜食論」
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