加害者家族を支援する活動の中で浮き彫りになった、家庭内性暴力という凄惨な実態。本書に綴られているのは、目を背けたくなるような、けれど現実に起きている「事実」です。
これは加害者家族だけしか取り上げられていないことや、男性被害者は声を上げにくいという背景を考えると、表に出ない近親性交は、私たちが想像する以上に多いのかもしれません。世間体を重んじるあまり、外で溜めたストレスの矛先が逃げ場のない家族へと向かってしまう——。その歪んだ構造に、言葉を失いました。
被害を「共犯」だと思い込まされて自分を責める人、息子や兄の子を産むことになった人……。淡々と綴られる一文字一文字が、これが創作ではなく「事実」であるという重みを持って迫ってきます。
あまりに衝撃的な内容に、ページをめくる手が止まり、読み終えるまでに長い時間を要しました。
もし、本来一番の味方であるはずの家族が「敵」となってしまったら、その人は一体どこに安らぎを見出せばよいのでしょうか。家族という密室の闇を暴き、支援のあり方を問い直す、とてつもなく重厚な記録です。



















