清朝末期の中国を舞台にした宮廷もの。史実で語られている西太后がただの悪女ではなく、大変人間味あふれる魅力的な人物に書かれているのが印象的です。激動の時代を生き抜いた人々の群像劇には、魂を揺さぶられました。
この記事はアフィリエイト広告を利用しており、広告の収益で運営しています。
作品詳細を開く
発売日: 2004年10月
発行元: 講談社
極貧の少年に与えられた途方もない予言 そこに「希望」が生まれた
魂をうつベストセラー大作待望の文庫化!
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろうーー中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた2人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
もう引き返すことはできない。春児は荷台に仰向いたまま唇を噛んだ。満月に照らし上げられた夜空は明るく、星は少なかった。「昴はどこにあるのーー」誰に訊ねるともなく、春児は口ずさんだ。声はシャボンのような形になって浮き上がり、夜空に吸いこまれて行った。途方に昏(く)れ、荒野にただひとり寝転んでいるような気分だった。「あまた星々を統べる、昴の星か……さて、どこにあるものやら」老人は放心した春児を宥(なだ)めるように、静かに胡弓を弾き、細い、消え入りそうな声で唄った。--<本文より>
第一章 科挙登第
第二章 乾隆の玉
新着の本 すべて見る
30日間で人気のまとめ記事 すべて見る
小説のまとめ記事 すべて見る
おすすめのまとめ記事 すべて見る
漫画のまとめ記事 すべて見る
趣味のまとめ記事 すべて見る
















