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【いつまでも、その頃の甘い思いに浸っていたい、ここに縋り付いていれば大丈夫、と人の心を蝕む甘美な思い出】
恋愛に溺れ、泥沼にハマっていく様を当事者である蘭花とその“親友”である留利絵、双方の視点から描かれた秀作。選ばれる側である自尊心が高い蘭花と選ばれない側である卑屈な留利絵。一見異なる2人に見えるが、傲慢で独善的である点においては似た者同士に見える。“親友”アピールにおける一種の気持ち悪さがありがちな設定で巧みに言語化されているので、特に女性は共感する人もいるのでは。女性同士の微妙な空気感の表現が秀逸。