原価・生存率・多様性・気持ちよさなど、一見“合理的”でまっとうに見える価値観が、
いつの間にか宗教と変わらない熱量を持っていることが、
冷静な文体のままじわじわと浮かび上がってくるのが怖くも快感です。 
どの短編も、「普通」や「現実」に人を勧誘しようとする側の暴力性を描いていて、
読み進めるほど、自分の日常の中にも小さな“カルト”が潜んでいるのではと疑いたくなりました。 
読み終えたあと、宗教だけでなく、お金・仕事・家族観など、
自分が無自覚に信じてきたものを静かに見直したくなる、村田沙耶香さんらしさ全開の作品集でした。














