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1960年代末の東京を舞台に、東大受験を控えた青年の内面をユーモラスかつ哲学的に描いた青春小説です。主人公の語りは軽妙で知的、社会や大人の世界に対する皮肉や反抗心がにじみ、若者特有の繊細さと不安定さが鮮やかに表現されています。時代の空気を反映しつつも普遍的な若者の葛藤を描いており、今読んでも胸に響く、思索的で洒脱な一冊です。
男の子いかに生くべきかーー。風邪をひいて、万年筆を落として、東大入試は流れるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ十二年も飼ってきた犬に死なれ、左足の親指の爪まではがしてしまった。幼馴染の由美とはささいなことから仲違い。踏んだりけったりのスタートを切った、薫の一日は……。戦後日本の価値観の揺らぎに肉薄した、現代青春小説の最高傑作。
1960年代末の東京を舞台に、東大受験を控えた青年の内面をユーモラスかつ哲学的に描いた青春小説です。主人公の語りは軽妙で知的、社会や大人の世界に対する皮肉や反抗心がにじみ、若者特有の繊細さと不安定さが鮮やかに表現されています。時代の空気を反映しつつも普遍的な若者の葛藤を描いており、今読んでも胸に響く、思索的で洒脱な一冊です。