古橋笙之介の父親は、賄賂を受け取ったという身に覚えの無い罪をきせられ切腹しました。父親と全く同じ筆跡の偽文書が出てきたことが賄賂を受け取った証拠となってしまい、笙之介は偽文書を作った犯人を探すために江戸に出ます。
江戸深川で長屋暮らしを始めた笙之介は、田舎者のお人好し。武士なのに剣の弱い笙之介は、長屋の人々に愛され助けられて過ごします。
笙之介は剣の腕はからきしなので、写本を作る仕事をしながら犯人を探しますが、字を書く仕事以外にも物語を作成したり、屋敷の絵を書いて組み立てるという仕事もしており手先が器用です。
こんな主人公の性格も話がほっこりする要素のひとつだと思えました。
しかし、ほっこりするだけの話ではなく本当は悲しい話でもあります。優しさや悲しさ、辛さなどのあらゆる要素が詰まった話です。
家族でありながら、相容れない部分があったり他人ながらも家族のような交流があったりするのもこの作品の面白さでした。