エリック本人も含め「音楽以外、決して愛さないこと」を誓い、
歌のレッスンをしてもらうことになったクリスティーヌ。
自分のことを全部受け止めてくれる人に、同じような想いを返したい、と思うようになるのは、自然だと思います。
ですが、2人の間でそれは許されない。
一方的に尽くされるのは、自分本位な人間以外にとって、居心地が良いものではないように思います。
歌の稽古中、触れようとして拒絶されたクリスティーヌは落ち込み、そんな彼女に対するエリックの謝罪方法がまた普通ではありません。
通常ならシリアスな展開に傾きそうなところ、コミカルなテンポが面白いです。
随所で見られるクリスティーヌの天真爛漫さは、とても魅力的です。
接触に慣れていないエリックの様子は、いけない気分にさせるほどの可愛さと色気があります。
お姫様のように特別扱いされて、エリックが自分のことを好き、と勘違いしそうになるクリスティーヌ。
エリックがしてくれることは全て、最高の歌姫にするため、という言葉。
それは、惹かれ始めた気持ちを踏みとどまらせるには十分ですよね。
シャイニュイ伯爵を避けるようエリックからされた忠告は、音楽に対するプライドを傷つけるもので、
怒りに燃えるクリスティーヌからは、芯の強さを伺えます。
仮面の外れたエリックから露わになる秘密で、物語が更に深まります。
新たに出てきたシャイニュイ伯爵とエリックとの関係にも注目です。