凪良ゆうさんの作品で有名な作品の一つです。
更紗と文ふたりの物語です。
世間的には、
更紗と文は誘拐事件の被害者と加害者の関係です。
世間的に見た事実と当事者たちが感じている真実が
異なることなんて多々あるのでしょうが、
自分側から見えたことだけを事実だと感じ、
批判したり、非難することは違うなと思いました。
自分たちが見たり、考えたりしていることは
当事者ではない限り、一部分でしかないということを
肝に銘じておかないといけないと思わせられた作品でした。
暴力や性被害の表現があるため
読む際には気を付けてください。
世間的には「誘拐犯」と「被害者」である男女の複雑な関係性を描いた物語。痛々しいほど切実な主人公の内面描写が見事で、普通でない身の上の心境をリアルに描き出している。丹念な心情描写の積み重ねの先にある結末はなんとも言えないが味わい深い。ただ、主人公のキャラクター(性格)を個人的に好きになれず、いまいちハマりきれなかったため星3評価とした。
二人のメインキャラクター。一方はいわゆる恵まれた家庭に育つ。もう一方は親戚の家で肩身の狭い思いをしていた。別の意味で、人生は生きにくいと感じていた二人がお互いを求めあう。
生きにくさを感じる人々にとって、二人の生き方は一つの答えなのかもしれないけれど、一方を裕福な家庭、という設定にしている時点で、生きにくいと感じる多数の人々にとってはその「贅沢な」解決策が面はゆく思えるかも。