「人は生まれながらに平等じゃない」
少年マンガらしからぬ書き出しで一気に引き込まれます。
物語の舞台は、世界の約8割がなんらかの超常能力「個性」を持つ世界。
そんな世界で、主人公の緑谷出久(みどりやいずく)は「個性」を持たない凡人として生まれました。
世界のマジョリティが「個性」を持つなか、出久には「個性」がないという不平等。
それでも諦めない心とまっすぐな正義感を持つ出久の前にNo.1ヒーローのオールマイトが現れ、出久の人生が一変することに……
逆境にめげず、出久が「個性」を活かして戦うヒーローを目指す成長譚です。
私たち現実の世界でも、たくさんの不平等はあふれています。
しかし逆境に負けない出久の姿を見ると、自分も頑張ろうと思わせてくれ、不思議と心が揺り動かされる作品です。
また、表紙を見て気付いた方もいるかもしれませんが、本作はアメコミに大きく影響を受けています。
画風やオノマトペ、キャラクターのデザインなどに、その一端を垣間見るいっぽうで、日本の王道バトルマンガらしさもハイブリッドされています。
『僕のヒーローアカデミア』は日本にとどまらず、世界中で人気が高い作品ですが、その理由はアメコミとマンガのハイブリッドという斬新さにもあるのだと思います。
この点にもぜひ着目して、読んでみてください。