読後は重苦しく、「愛すれば伝わる」「守れば安心」という言葉では説明できない、人間の関係の脆さと恐ろしさに胸が締めつけられました。それゆえに、ただのミステリーではなく、「親子とは何か」「母性とは何か」を深く考えさせられる、そんな強い余韻を残す作品だと思います。
女子高生の転落死の記事から始まり、
母・ルミ子の「母の手記」と、娘・清佳の「娘の回想」が交互に語られていく構成が、とても息苦しくも引き込まれる一冊だと感じました。 
母は「自分は娘を精一杯愛してきた」と信じ、娘は「母に愛されたい」と必死にもがいているのに、
その思いが決定的にすれ違い続ける様子が痛々しく、読んでいて胸が重くなります。 
温かいイメージのある“母性”が、支配や依存、刷り込まれた「理想の母像」と結びつくとき、
どれほど人を追い詰めてしまうのかを突きつけられ、簡単には「いい話」と片づけられない余韻が残りました。
読み終えたあと、自分にとっての「母」や「娘」という関係について静かに考え直したくなる作品でした。














